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Amazon人気商品ランキング/Tim O'BrienpsWorksはAmazon.co.jpの提携サイトです。代金確認、及び商品の発送はAmazon.co.jpが行います。 1500円以上のお買い上げで国内配送料無料!! 中古価格が表示されている商品は[商品詳細]ページでご購入頂けます。 商品総数:153/総ページ数:16 最終更新日:2008/11/19 The Things They Carried: A Work of Fictionカスタマーレビューピックアップ 読み出しで、 「本当の話だが本当の話ではない(フィクション)・・・」 ??と思いながら読み進め、読み終えた時には 本当の話(ノンフィクション)なんだろうなと感じた。 戦争を経験したことのない自分だが、 戦争とは人間が体験する極限の心理状態であり、 その体験は「フィクション」or「ノンフィクション」なんて 関係ないのであろう。 読み終えて、どう感じるのかは個人個人だが、 戦争とは?を感じることが出来る良書だと思う。 カスタマーレビューピックアップ 日本語訳版を途中で読むのを挫折しながらも,何度か読み返しているうちにこの本は実に深いことを言っているのだということに気づきました.日本語訳を読んでから10年以上経ち,ついに原書を読み終えました.この本は,戦争の悲惨さを訴えたり,戦争を非難したり,あるいは何かの美談を伝えるような本ではありません.「本当の戦争の話というのはぜんぜん教訓的ではない.それは人間の特性をよい方向へ導かないし,高めもしない.」「本当の戦争の話というのは,戦争についての話ではないのだ.絶対に.」とのこと.これについて,訳者の村上春樹氏が実にうまい説明をあとがきの中でしています. 「この本における戦争とは,あるいはいささか極端な言い方かもしれないけれど,ひとつの比喩的な装置である.それは極めて効率的に,きわめて狡猾に,人を傷つけ狂わせる装置??ある.それがオブライエンにとってはたまたま戦争であったのだ.そう言う文脈で言うなら,人は誰でも自分の中に自分なりの戦争を抱えている.そしてある意味では誰もが本当の戦争の話を語れるはずなのだ.だから本当の戦争の話とは戦争についての話ではないのだ.」 著者は,我々の中に内在しているその「装置」について語ろうとしていて,その説明のための例として自分自身が赴いたベトナム戦争を引き合いに出しています.その「装置」がどういうトリガーでどのように作動するか,そしてその「装置」がどのように人間を傷つけ,壊していくのかを説明しようとしています.ベトナム戦争体験記のようなノンフィクションより,このフィクション短編集の方がずっと読後感が重いし,暗い気持ちになってきます.これは著者が戦争という具象物を紹介・説明しているのではなく,それを抽象化して誰もが内部に持っているものを捉えようとしているからかもしれません. カスタマーレビューピックアップ 理解を求めるのでも、告発するのでも、悲劇を訴えるのでもない… ただ、「こういう気持ちで僕は戦場にいたんだ…」 普通の若者の記憶に残るベトナム戦争の風景 カスタマーレビューピックアップ 村上春樹のファンなので 本書を読む機会を得た。読み出すと止まらず 一気に読み終えた。 ベトナム戦争の話である。しかし 村上が解説で言っている通り 戦争とは一つの題材であり 要は ある状況に置かれた人の話だ。「その意味では 誰もが 自分の『戦争』を自分の内部に抱え込んでいる」というような 村上の一文を覚えている程だ。 その意味では反戦文学ですら無い。徹底的な「人間」の話である。 我々も自分が抱え込んでいる「戦争」を考えるべきかもしれない。 カスタマーレビューピックアップ
戦争体験は異常なリアルと向き合うことである。一にも二にも生き残ることが目的ではあるが、かつての死線を守った戦争と違ってこれはアメリカにとって「逃げ道のある戦争」であった。本の中に、徴兵されることへの恐怖とプライドのはざまで極限まで悩む著者の姿が書かれている。また勝利なき撤退をした後の兵士たちの深刻な後遺症。戦場で極限のリアルを体験した後にアメリカの良き日常社会に復帰することがどれだけ難しいか。本書の著者は作家として表現活動することで戦争後のアイデンティティを築けたが、そうできなかった者のたどった悲劇も書かれている。徴兵されるか逃れるか、その後戦争に行ったときに、みなの前でどれだけタフな男を演じられるか、戦争後に自分の体験したリアルと恐怖を否定されたときにどうアイデンティティを作り直していくのか。この本に書かれていることはベトナム戦争に従軍したアメリカ兵の悲劇でもあるし、今でも他国の紛争に介入するアメリカの抱える永遠の課題でもあると思う。村上氏の翻訳が大変上手で読みやすいのでぜひおすすめしたい一冊。 Harnessing HibernateIf I Die in a Combat Zone: Box Me Up and Ship Me Homeカスタマーレビューピックアップ
もし、自分が本当に戦争へ行かなければならないとしたら、僕は現実的に本当にどうするだろう?と真剣に考えさせられる本です。ゲンジツに...というのがこの本のミソかもしれない。著者は自分の心情をこれでもか、と言うくらい赤裸々に告白し、それがこの本にずっしりとした現実味をあたえています。 「ヘミングウェイやアーニーパイルはなぜ、戦争の正義について、...」と著者が語るところは印象的でした。 July, Julyカスタマーレビューピックアップ 大学の同窓会に集まった53歳の登場人物達の大学卒業後人生を一つの物語として語りながら 話は進んでいきます。 ベトナム戦争で足を失ったディビット ギャンブルは勝つも結婚生活は負けるエイミーとボビー スプークは二人の夫と生活 ビリーは徴兵逃れにカナダに逃げ恋人も失う エリーは不倫中に事故に会い ドロシーはビリーを捨て カレンは性的妄想中 マーブはダイエットに成功するも嘘をつき マーラとディビットは離婚し みんなは同窓会で踊り 酔っ払い 別れ 出会い。そして・・・ "make me pregnant""私を妊娠させるさせるのは?”というせりふがあるのですが 53歳になって(現在45)同窓会にでてこう言われた時 どんな感じになるのだろう?と 村上春樹氏は あとがきで”50すぎてこんなぐじぐじしたことしているの?と子供に驚かれると書いていましたが 僕も50過ぎてもこんなことしていいんだと。 カスタマーレビューピックアップ この本は『世界のすべての七月』というタイトルで 村上春樹氏の邦訳も出版されている。 …胸が、ふるえる物語だった。 揺さぶられた。 ペシミストな私は常日頃より 「人生の帳尻なんて合わねぇ 大赤字だ」 というようなことを繰り返し申し上げているわけですが。 これは別にペシミズムというわけではなく、 単純かつ厳然たる真実に関する述懐のつもりだ。 幸と不幸の総量を相殺したら、 誰しも絶対に大きなマイナスになるに違いない。 つーかね もうしゃーないよ それこそが人生というものなんだもん、たぶん。 そう、我々人間という存在自体が、 出だしから「損なイキモノ」と規定されているのだ。 「喪失」というものが、そのことを端的に示していると思う。 どんな幸せも、喪失体験のやりきれなさを打ち消すことなんて到底できない。 愛する人との死別、という喪失もあれば、失恋や仲違いという喪失もあるだろう。 どれも本質的には同じものだ。 失恋と死別を一緒にするのはナンセンスだ、という言い分もあるだろうし、 それはそれとして同意する部分が皆無なわけではないけれど、 「個人的な体験として」見てみれば喪失は喪失でしかないわけで、 そこに相手の生き死になどという「瑣末な」ファクターを理由に 線引きをするロジカルな根拠はどこにもない、と思う (あくまでも「個人的な体験として」という、主観に関する話です。念のため)。 さて人間生きれば生きるほど獲得するものもあるであろうけれど、 基本的には砂の粒は時間とともに手のひらからこぼれてゆくものであるのと同じように、 不可逆的に失ってゆくものの方が圧倒的に多い。 年食えばそれだけ傷がついて苦しくなるもんだと思うのよ。 人間って。 で、小説の話。 物語はある高校の同窓会が舞台。 50歳を超えた同窓生らが一堂に会したこの舞台を軸に、 各登場人物それぞれの人生模様が多層的に展開されてゆく。 癒えない戦争の傷を抱えて生きる男。 不倫相手との逢引の最中に相手が水死してしまい、 その事実を夫に告げることができず、 また夫が真実を知る日がいつか訪れるのではないかと日々苦しみながら生きる女。 若かりし日に恋人が駆け落ちの約束に現れず、一人祖国を後にし、 恋人を憎み続けて生きる男。 その男を裏切った恋人は、幸せな結婚生活を築いたものの、 乳がんで片方の乳房を切除してから夫婦の関係が崩壊してゆく… 登場人物全員、揃いも揃って「これでもか、これでもか」と言わんばかりに、 やりきれないような重荷を背負いながら、 それでも表層では平静を保ちながらそれぞれの人生を生きている。 けれど、これがまた異様にリアルだ。というのも、 結局人生というのが本質的にこういうものだからだ、と思う。 人生なんて嵐のようなもので、人間はその嵐にもみくちゃにされながら きりもみする小舟のようなものだ。 人間誰しも年齢を重ねるごとに十字架が増えてゆく。 時に「もう抱えきれない」と思ってしまうような重荷であっても、 それでも日常は容赦ない。 人は日常を生きなければならない。 絶望しながら。 あるいは、それでも希望を見出しながら。 幸せなものほどはかなく、試練ほど、容赦がない。 美しいものというのはこの嵐の前で実に心許なく、 かよわく、今にも吹き消されそうになりながら躍り狂う、 かそけき灯火のゆらめきの如きものだ。 それでも、というより「それだからこそ」、 彼らはそのゆらめきに手を延べようとする、 それを慈しもうとする、もとい 「嵐の前になんら無力であるがゆえに、そのちっぽけなゆらめきがいとおしいのだ」。 人間がいとおしいのは、ばかでちっぽけで無力で無価値だからこそじゃないか、 というような気持ちになった。 すごい物語だった。 人間存在全般のいじらしさに、胸がつまった。 ビリーボブソーントンとハルベリーが出演している 「チョコレート」という大傑作があるのだけれど、 この小説はこの作品とどこか似たような印象を受けた。 嵐の中で魂同士が呼び合っている、というイメージ。 きれいなものばかりではなく、むしろ醜いものはその万倍描かれているのだけれど、 小さく震えているものが互いに手を述べ合う姿に透けて見える何らかの光が差した光景。 ちなみにこのレビュー、感極まって非常な長文を書いたのだが、 書いた直後にうっかり関係ないキーを叩いたために ページが遷移してしまって書き直しているもの。 だから書き直しでは、何だか気力が萎えて、かなり端折ってしまった。 けれどとにかく…小さいからこそ 無力だからこそ そのきらめきがより一層まぶしいのだ と読みながら感じたことで、 あまりに胸がいっぱいで、 どうしても今の気持ちを残しておきたかった。 ほんと、読んでない方はぜひ読んでください。 すごい本でした。 レビューは文句なしの満点。 カスタマーレビューピックアップ オブライエンの久しぶりの作ということで抱いていた期待が、少しも裏切られなかった。最初は「何だか散漫だな」と思って読み進んでいたけれど、中盤過ぎからニュルニュルと絡め取られるように物語に引き込まれる。結局、登場人物たちの物語はどれも収束せずに結末に到るが、その落ち着きのなさ、座りの悪さこそがオブライエンの伝えたかったことなのだ、と納得。村上春樹氏は『オブライエンにこそ現代を包括する総合小説を書いてほしい』という意味のことをどこかで書いていたが、全く同感。次回作への期待大です。 カスタマーレビューピックアップ The things...と同じ戦争と世代というテーマをTomcat...とおなじ哀愁を含んだユーモアで描いている。最初は軽すぎるのではないかと思ったけど、戦争の傷跡と失われた時間に長い間苦しめられ続けてきても人生の後半を迎えて尚前向きに生きようとする態度をあたたかく描こうとした結果だと思う。そして結果的にテーマはベトナム世代というものを超えて一世代の記憶と現在というところまで一般化しているのはさすが。Over the flaming grasslands,it was July now,July alwaysというのはきっと作者なりの過去というものとの付き合い方なのだろう。 カスタマーレビューピックアップ
30年ぶりに同窓会で集まった元大学生達。ある男はヴェトナム戦線に参加し、ある女は男を裏切り、一人の女を待ち続ける男がいたり。1969年と2000年が、若気の至りと大人の過ちが、ぐるぐるとシェイカーの中で混ぜられていく。 ぜんたい感傷というものに浸るには、わたしはまだ歳が足りないのかもしれない。離婚もドラッグもしたことないし、なによりラブ&ピースが声高に叫ばれていた時代をしらないし(まだ玉子ですらなかった)、その後にきた世界の波もよくわからない。世代が違うから。でもね、昔を思い出してぐじぐじしていいのは大人だけに許される気もする。 若い人でもそれなりに経験は出来る。家柄や家業が特殊だったりすれば、必ず同年代よりも経験は多いだろうが、年齢による経験は歳をとらなければわからない。 彼ら元大学生のハッピー(日本語訳だと意味がズレそう)がなにをもってハッピーなのかはこの際関係ないだろうけれど、ハッピー・エンドじゃなくてエンドからもさらに時が進みゆく。日常かどうか、リアルかどうかではなくてing。ingの小説だ。 The Things They Carried (Flamingo)カスタマーレビューピックアップ 読み出しで、 「本当の話だが本当の話ではない(フィクション)・・・」 ??と思いながら読み進め、読み終えた時には 本当の話(ノンフィクション)なんだろうなと感じた。 戦争を経験したことのない自分だが、 戦争とは人間が体験する極限の心理状態であり、 その体験は「フィクション」or「ノンフィクション」なんて 関係ないのであろう。 読み終えて、どう感じるのかは個人個人だが、 戦争とは?を感じることが出来る良書だと思う。 カスタマーレビューピックアップ 日本語訳版を途中で読むのを挫折しながらも,何度か読み返しているうちにこの本は実に深いことを言っているのだということに気づきました.日本語訳を読んでから10年以上経ち,ついに原書を読み終えました.この本は,戦争の悲惨さを訴えたり,戦争を非難したり,あるいは何かの美談を伝えるような本ではありません.「本当の戦争の話というのはぜんぜん教訓的ではない.それは人間の特性をよい方向へ導かないし,高めもしない.」「本当の戦争の話というのは,戦争についての話ではないのだ.絶対に.」とのこと.これについて,訳者の村上春樹氏が実にうまい説明をあとがきの中でしています. 「この本における戦争とは,あるいはいささか極端な言い方かもしれないけれど,ひとつの比喩的な装置である.それは極めて効率的に,きわめて狡猾に,人を傷つけ狂わせる装置??ある.それがオブライエンにとってはたまたま戦争であったのだ.そう言う文脈で言うなら,人は誰でも自分の中に自分なりの戦争を抱えている.そしてある意味では誰もが本当の戦争の話を語れるはずなのだ.だから本当の戦争の話とは戦争についての話ではないのだ.」 著者は,我々の中に内在しているその「装置」について語ろうとしていて,その説明のための例として自分自身が赴いたベトナム戦争を引き合いに出しています.その「装置」がどういうトリガーでどのように作動するか,そしてその「装置」がどのように人間を傷つけ,壊していくのかを説明しようとしています.ベトナム戦争体験記のようなノンフィクションより,このフィクション短編集の方がずっと読後感が重いし,暗い気持ちになってきます.これは著者が戦争という具象物を紹介・説明しているのではなく,それを抽象化して誰もが内部に持っているものを捉えようとしているからかもしれません. カスタマーレビューピックアップ 理解を求めるのでも、告発するのでも、悲劇を訴えるのでもない… ただ、「こういう気持ちで僕は戦場にいたんだ…」 普通の若者の記憶に残るベトナム戦争の風景 カスタマーレビューピックアップ 村上春樹のファンなので 本書を読む機会を得た。読み出すと止まらず 一気に読み終えた。 ベトナム戦争の話である。しかし 村上が解説で言っている通り 戦争とは一つの題材であり 要は ある状況に置かれた人の話だ。「その意味では 誰もが 自分の『戦争』を自分の内部に抱え込んでいる」というような 村上の一文を覚えている程だ。 その意味では反戦文学ですら無い。徹底的な「人間」の話である。 我々も自分が抱え込んでいる「戦争」を考えるべきかもしれない。 カスタマーレビューピックアップ
戦争体験は異常なリアルと向き合うことである。一にも二にも生き残ることが目的ではあるが、かつての死線を守った戦争と違ってこれはアメリカにとって「逃げ道のある戦争」であった。本の中に、徴兵されることへの恐怖とプライドのはざまで極限まで悩む著者の姿が書かれている。また勝利なき撤退をした後の兵士たちの深刻な後遺症。戦場で極限のリアルを体験した後にアメリカの良き日常社会に復帰することがどれだけ難しいか。本書の著者は作家として表現活動することで戦争後のアイデンティティを築けたが、そうできなかった者のたどった悲劇も書かれている。徴兵されるか逃れるか、その後戦争に行ったときに、みなの前でどれだけタフな男を演じられるか、戦争後に自分の体験したリアルと恐怖を否定されたときにどうアイデンティティを作り直していくのか。この本に書かれていることはベトナム戦争に従軍したアメリカ兵の悲劇でもあるし、今でも他国の紛争に介入するアメリカの抱える永遠の課題でもあると思う。村上氏の翻訳が大変上手で読みやすいのでぜひおすすめしたい一冊。 The Nuclear Ageカスタマーレビューピックアップ 村上春樹大好き私は、勿論村上春樹が翻訳する本もよんでしまいます。おかげさまで、色んなアメリカ作家も読むことになりました。ジョンアービんグ、フィッツジェラルド、トルーマンカポーティ、春樹が翻訳していない本も読み出しました。でもこの作品が一番いいです。とにかく、読んでみて下さい。何もかもが満たされた時代であるからこそなんとなく感じてしまう時代の喪失感。不安感。現代人であるからこそわかりあえるなぜかここにも春樹ワールドが。世界中の全ての春樹ファンに。 カスタマーレビューピックアップ とても賢明とは思えない方法で主人公が生き抜こうとする姿に、不思議なほど心打たれ、読者の私が理解に苦しもうとも、彼なりの方法を、彼が信じたんならと、応援して励ましたくなってしまう、そんな感覚が読み通すあいだありました。 ヴェトナム戦争や核戦争の予感などよりは、ひとつの「愛」の話として私は読みました。 Tim O'Brienの人物描写はとても好きなんですが、今回の私のお気に入りは、サラとチャック・アンダーソンでした。 英語も比較的読みやすく、感情移入ではなく、自分もまた登場人物の中に入り込んで彼らの息遣いの感じる距離で読んでいるような不思議な感じでした。これは一体何なんだろう?心に残る作品であることは間違いないです。 カスタマーレビューピックアップ 夢中になって読みました。 村上春樹も解説に書いていましたが、この物語の誰にも強く感情移入することができないのにも関わらず、 途中からだんだん主人公に対して、 「がんばれ、そう、それでいい、がんばれ」と励まし称えたくなる、 不思議な感情が生まれます。 穴を掘り続けるその懸命さを、不安を、真剣さを、 笑うことなどとてもできはしない。 カスタマーレビューピックアップ 純文学の力って何だろう、などと青臭い事をいい歳をしてふと考えてしまう。一気に結論を言えば、その唯一の拠所は読み手の「今・ここ」を揺さぶる力、なのかも知れない。本作は、いわゆる小説の完成度が最高というわけではない。もっと構成をひねり、テンポを変えた方がよいと思える部分も多々ある。しかし、この根底に込められた”生きる事への真剣さ”は並大抵のものではなく、その想いは完成度を凌駕する。憑かれたように穴を掘り続ける男の想いは、余りにパワフルかつ痛切に読み手に叩きつけられる。「反戦」「ベトナム戦争」「核保有国のメタファー」らの歴史・人文学的な解釈はいくらでも可能だろうが、僕はこの本にとってそれらは二次的でいいと思う。とことんまで自分や世界を見つめ、その中で、絶対に真剣に幸福を目指そうとした魂の輝き。この小説の底力は、すべての時代や状況を超えた普遍の地平へと我々を豪腕で導く。 カスタマーレビューピックアップ
1995年、ウラニウムの鉱山を売却し巨万の富を得た主人公ウィリアムは、核戦争への恐怖から庭にシェルターとなる穴を掘り続けている。が、妻ボビと娘メリンダは、まったく理解を示さない。それに先立つこと30年、ヴェトナム戦争の時代、ウィリアムは大学で「爆弾は実在する」というメッセージをアピールするうちに、チアリーダーのサラを初めとするグループで反体制運動を始めることになるが・・・。過去と現在の章が交互に出てきながら、主人公の神経症の原因を追って行く。 穴を掘る、つまり無を作っている、でもその虚しい努力をやめることはできないという矛盾は、セーフティ・ネットのない社会に生きることの、終わりのない不安感を描いているように思います。ヴェトナム反戦運動とその弾圧両方の暴力は、結局暴力には暴力をもって対抗するという、アメリカの力による正義の独善性を描きます。それは、いつ自分が追われる側に回るか、という焦燥感に直結しています。また元々誰のものでもないウラニウムの鉱山を、相手構わず売りつけ一山当てることを成功と見なす拝金主義。それは、自分が売ったウラニウムで核爆弾が作られ、それで殺されるのではないか、という恐怖感につながっています。 一見極端な設定ですが、現代アメリカの抱える病理のメタファーとして捉えるとこの小説の奥深さが見えてきます。この小説は、自助努力をマントラとして、他者への想像力や思いやりを欠かすことを良しとしてきたアメリカ社会の暗い部分を批判します。そして、この不安に満ちた社会は、我々一人ひとりが自ら蒔いた種に寄与しているのだ、というアメリカ人が目を背けたがる現実を突きつけるのが本書の凄さでしょう。 Going After Cacciatoカスタマーレビューピックアップ 背景やモチーフに戦争という悲惨な体験があるにしても、その体験を知識としてしか共有できない大多数の読者はこの物語をどう読むべきか、そんなことを考えてしまいました。というのも、実は逆で、プロフィール等を後で知ったので、読んでいる間は連隊が追跡しているものをメタファーのように捉えていたからです。「『若者の夢』かな、『閉塞状況下での集団ヒステリー』かな、『群集心理』かな、」って感じでです。小説にそういった「答え」を求める読み方はたいへん危険であることも承知していますが、それを忘れさせる強い求心力を持った作品です。 カスタマーレビューピックアップ 題名の通り、追跡する話なのだが、その場面場面のシーンが多彩に多重になって、読んでいて、引き込まれます。 まさに小説の醍醐味。 この著者のほかの作品は、若干暗めが多いのですが、これはある程度人を食っていて、読むに値します。 絶版とのこと。非常に残念です。 カスタマーレビューピックアップ ヴェトナム戦争従軍体験を持つ作家なので、戦争という非日常の些細なリアリティをこれでもかと書き込んでいるのが読ませる。「本当の戦争の話をしよう」(文春文庫)とエピソードが重複する部分もないと思う。彼の小説には毎回たくさんの登場人物が出てくる。今回も一個小隊の隊員たち全員が主人公といっても過言ではないほど個性的なのでそのうちみんなの名前を覚えるだろう。物語は小説内の事実と空想が曖昧に絡み合っている。戦列から逃げ出した「カチアートを追跡して」いるうちにヴェトナムからパリまで横断することになる。本作はジョン・アーヴィングの「ガープの世界」(新潮文庫)が本命と言われた中でその年の全米図書賞を受賞した。現在新潮文庫では絶版。 カスタマーレビューピックアップ
この本が教えてくれるのはアメリカ人と日本人の決定的な断絶。 夢と妄想と現実がほどき難く絡み合いながら、脱走兵カチアートを追跡する。 舞台はベトナムからパリへ。 日本人には絶対に見れない白昼の悪夢。 ベトナム戦争に徹底的にスポイルされた作者の傑作。 この本を読まずに戦争について語ることは馬鹿げている。 July, Julyカスタマーレビューピックアップ 大学の同窓会に集まった53歳の登場人物達の大学卒業後人生を一つの物語として語りながら 話は進んでいきます。 ベトナム戦争で足を失ったディビット ギャンブルは勝つも結婚生活は負けるエイミーとボビー スプークは二人の夫と生活 ビリーは徴兵逃れにカナダに逃げ恋人も失う エリーは不倫中に事故に会い ドロシーはビリーを捨て カレンは性的妄想中 マーブはダイエットに成功するも嘘をつき マーラとディビットは離婚し みんなは同窓会で踊り 酔っ払い 別れ 出会い。そして・・・ "make me pregnant""私を妊娠させるさせるのは?”というせりふがあるのですが 53歳になって(現在45)同窓会にでてこう言われた時 どんな感じになるのだろう?と 村上春樹氏は あとがきで”50すぎてこんなぐじぐじしたことしているの?と子供に驚かれると書いていましたが 僕も50過ぎてもこんなことしていいんだと。 カスタマーレビューピックアップ この本は『世界のすべての七月』というタイトルで 村上春樹氏の邦訳も出版されている。 …胸が、ふるえる物語だった。 揺さぶられた。 ペシミストな私は常日頃より 「人生の帳尻なんて合わねぇ 大赤字だ」 というようなことを繰り返し申し上げているわけですが。 これは別にペシミズムというわけではなく、 単純かつ厳然たる真実に関する述懐のつもりだ。 幸と不幸の総量を相殺したら、 誰しも絶対に大きなマイナスになるに違いない。 つーかね もうしゃーないよ それこそが人生というものなんだもん、たぶん。 そう、我々人間という存在自体が、 出だしから「損なイキモノ」と規定されているのだ。 「喪失」というものが、そのことを端的に示していると思う。 どんな幸せも、喪失体験のやりきれなさを打ち消すことなんて到底できない。 愛する人との死別、という喪失もあれば、失恋や仲違いという喪失もあるだろう。 どれも本質的には同じものだ。 失恋と死別を一緒にするのはナンセンスだ、という言い分もあるだろうし、 それはそれとして同意する部分が皆無なわけではないけれど、 「個人的な体験として」見てみれば喪失は喪失でしかないわけで、 そこに相手の生き死になどという「瑣末な」ファクターを理由に 線引きをするロジカルな根拠はどこにもない、と思う (あくまでも「個人的な体験として」という、主観に関する話です。念のため)。 さて人間生きれば生きるほど獲得するものもあるであろうけれど、 基本的には砂の粒は時間とともに手のひらからこぼれてゆくものであるのと同じように、 不可逆的に失ってゆくものの方が圧倒的に多い。 年食えばそれだけ傷がついて苦しくなるもんだと思うのよ。 人間って。 で、小説の話。 物語はある高校の同窓会が舞台。 50歳を超えた同窓生らが一堂に会したこの舞台を軸に、 各登場人物それぞれの人生模様が多層的に展開されてゆく。 癒えない戦争の傷を抱えて生きる男。 不倫相手との逢引の最中に相手が水死してしまい、 その事実を夫に告げることができず、 また夫が真実を知る日がいつか訪れるのではないかと日々苦しみながら生きる女。 若かりし日に恋人が駆け落ちの約束に現れず、一人祖国を後にし、 恋人を憎み続けて生きる男。 その男を裏切った恋人は、幸せな結婚生活を築いたものの、 乳がんで片方の乳房を切除してから夫婦の関係が崩壊してゆく… 登場人物全員、揃いも揃って「これでもか、これでもか」と言わんばかりに、 やりきれないような重荷を背負いながら、 それでも表層では平静を保ちながらそれぞれの人生を生きている。 けれど、これがまた異様にリアルだ。というのも、 結局人生というのが本質的にこういうものだからだ、と思う。 人生なんて嵐のようなもので、人間はその嵐にもみくちゃにされながら きりもみする小舟のようなものだ。 人間誰しも年齢を重ねるごとに十字架が増えてゆく。 時に「もう抱えきれない」と思ってしまうような重荷であっても、 それでも日常は容赦ない。 人は日常を生きなければならない。 絶望しながら。 あるいは、それでも希望を見出しながら。 幸せなものほどはかなく、試練ほど、容赦がない。 美しいものというのはこの嵐の前で実に心許なく、 かよわく、今にも吹き消されそうになりながら躍り狂う、 かそけき灯火のゆらめきの如きものだ。 それでも、というより「それだからこそ」、 彼らはそのゆらめきに手を延べようとする、 それを慈しもうとする、もとい 「嵐の前になんら無力であるがゆえに、そのちっぽけなゆらめきがいとおしいのだ」。 人間がいとおしいのは、ばかでちっぽけで無力で無価値だからこそじゃないか、 というような気持ちになった。 すごい物語だった。 人間存在全般のいじらしさに、胸がつまった。 ビリーボブソーントンとハルベリーが出演している 「チョコレート」という大傑作があるのだけれど、 この小説はこの作品とどこか似たような印象を受けた。 嵐の中で魂同士が呼び合っている、というイメージ。 きれいなものばかりではなく、むしろ醜いものはその万倍描かれているのだけれど、 小さく震えているものが互いに手を述べ合う姿に透けて見える何らかの光が差した光景。 ちなみにこのレビュー、感極まって非常な長文を書いたのだが、 書いた直後にうっかり関係ないキーを叩いたために ページが遷移してしまって書き直しているもの。 だから書き直しでは、何だか気力が萎えて、かなり端折ってしまった。 けれどとにかく…小さいからこそ 無力だからこそ そのきらめきがより一層まぶしいのだ と読みながら感じたことで、 あまりに胸がいっぱいで、 どうしても今の気持ちを残しておきたかった。 ほんと、読んでない方はぜひ読んでください。 すごい本でした。 レビューは文句なしの満点。 カスタマーレビューピックアップ オブライエンの久しぶりの作ということで抱いていた期待が、少しも裏切られなかった。最初は「何だか散漫だな」と思って読み進んでいたけれど、中盤過ぎからニュルニュルと絡め取られるように物語に引き込まれる。結局、登場人物たちの物語はどれも収束せずに結末に到るが、その落ち着きのなさ、座りの悪さこそがオブライエンの伝えたかったことなのだ、と納得。村上春樹氏は『オブライエンにこそ現代を包括する総合小説を書いてほしい』という意味のことをどこかで書いていたが、全く同感。次回作への期待大です。 カスタマーレビューピックアップ The things...と同じ戦争と世代というテーマをTomcat...とおなじ哀愁を含んだユーモアで描いている。最初は軽すぎるのではないかと思ったけど、戦争の傷跡と失われた時間に長い間苦しめられ続けてきても人生の後半を迎えて尚前向きに生きようとする態度をあたたかく描こうとした結果だと思う。そして結果的にテーマはベトナム世代というものを超えて一世代の記憶と現在というところまで一般化しているのはさすが。Over the flaming grasslands,it was July now,July alwaysというのはきっと作者なりの過去というものとの付き合い方なのだろう。 カスタマーレビューピックアップ
30年ぶりに同窓会で集まった元大学生達。ある男はヴェトナム戦線に参加し、ある女は男を裏切り、一人の女を待ち続ける男がいたり。1969年と2000年が、若気の至りと大人の過ちが、ぐるぐるとシェイカーの中で混ぜられていく。 ぜんたい感傷というものに浸るには、わたしはまだ歳が足りないのかもしれない。離婚もドラッグもしたことないし、なによりラブ&ピースが声高に叫ばれていた時代をしらないし(まだ玉子ですらなかった)、その後にきた世界の波もよくわからない。世代が違うから。でもね、昔を思い出してぐじぐじしていいのは大人だけに許される気もする。 若い人でもそれなりに経験は出来る。家柄や家業が特殊だったりすれば、必ず同年代よりも経験は多いだろうが、年齢による経験は歳をとらなければわからない。 彼ら元大学生のハッピー(日本語訳だと意味がズレそう)がなにをもってハッピーなのかはこの際関係ないだろうけれど、ハッピー・エンドじゃなくてエンドからもさらに時が進みゆく。日常かどうか、リアルかどうかではなくてing。ingの小説だ。 Northern LightsIn the Lake of the Woodsカスタマーレビューピックアップ
帯は捨てる主義なので、何て書いてあったかよく憶えてないんですが、確か【現実にリアルさを感じられない全ての人に】とあったような。 でも、読んだらリアルさを取り戻すわけじゃないようです。 上院議員候補予備選挙に大敗した副知事ジョン・ウェイドとその妻キャシーが、レイク・オブ・ザ・ウッズ湖畔(これが原題)で休暇をとっているところから始まります。ショックから立ち直ろうとしている夫婦という冒頭から、突然、キャシーがボートで失踪してしまう。探し続けるジョン。しかし行方はようとして知れず、数ヶ月後、ジョン自身もボートで失踪してしまう。 これに、ジョンの過去(父との葛藤、ベトナム戦争、尾行癖、等々)が交錯し、【証拠】として、様々な人々(ジョンの母、ベトナムでの戦友、捜索隊の保安官、キャシーの妹、選挙参謀、等々)の証言や書物からの引用が並べられ、キャシー失踪の有り得る仮説が何通りも記述されていきます。(そして真実はついに仮説の彼方に失踪していきます。) あまりにもリアルなベトナムの描写と対称的に、決定的にリアルさを欠いたジョンの精神生活。ソンミ事件の当事者としての記憶を封じ込めようとし、破綻するジョン。その存在すら仮説と思えるほど曖昧なキャシー。 「カチアート」に次ぐ傑作。 |
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