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この映画の原作になった大岡昇平の小説「事件」のもとの題名は「若草物語」だった。 それは、二人の姉妹を巡るドラマを描くものだった。小説「若草物語」は、現代の裁判を主題とし、司法制度によって裁くことが出来るものとは何か?を問う重厚なドラマとなり題名は「事件」となった。 映画は、小説「事件」をベースに裁判所では分かりえない事件を巡る人々、特に松坂慶子と大竹しのぶの姉妹の葛藤を軸に据えた、元の若草物語のイメージに近いドラマを作り上げている。 小説を読むと、その小説の行間に読者は様々な想像をするものである。そしてそれが小説に永遠の生命を吹き込んでゆく。新藤兼人の脚本は、まさに原作の行間に推理を加え、小説の持つ味わいを損なうことなく新たな厚みをもって見事に映像ドラマを作った。 裁判官に佐分利信、検事・芦田伸介、弁護人に丹波哲郎、登場する証人も、西村晃、森繁久弥等名優を揃えリアルな裁判を演出すると共に、松坂慶子・大竹しのぶの縺れ合う女の感情を渡瀬恒彦、永島敏之の回想シーンによって描き情感の濃いドラマとなった。 ラストシーンに、裁判によって真実が解明するのか?という余韻を残す場面をつくり原作の主題で締めくくる完璧な演出。 |
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